スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

素敵な一日

今日は、猫と一緒に丘に登りました。
今日は、とても良いお天気の一日でした。
丘の上では、紅葉がにっこりと笑いあったり、しっとりと相談しあったりしていました。
丘の上で、ゆっくりとしていると、今日は太陽もとてもゆっくりとしていました。
丘の上からもうちょっと丘の上の方へ行くと、丘の上で釣り人と出会いました。
「何か釣れますか」と尋ねると、釣り人は、「何も釣れません」と答えました。
「今日は調子が悪いですか」と尋ねると、釣り人は、「今日は特に悪いです」と言いました。
釣り人のバケツの中は空っぽで、猫は、顔を近づけておいしそうに水を飲みました。
「今日は、天気は良いのにねえ」と言って、釣り人は照れながら笑いました。
それから、もう少し丘の上に登りゆっくりしました。
持ってきたお菓子を、猫と一緒に食べました。
お菓子を食べると、こりこり、ほりほり、とお菓子が弾ける良い音がしました。
それから、どこからともなくキノコご飯が炊き上がったので、猫と一緒に食べました。
それから、満腹になったので、ゆっくりと昼寝をしました。
それから、もう十分にゆっくりした頃、猫と一緒にもっと丘の上に登りました。
一番丘の上まで登ると、エレベーターがあったので、猫と一緒に丘の下まで降りました。
今日は、とても猫と一緒でした。



何もないよ
否定の王様が言う

ここでは何も
寂しくもなく
恋しくもない

否定の王様
打消しの銃を
乱れ撃ち

ひとつふたつの出会いを
なかったことにしてしまう

始まりもおしまいも
何も何も
意味なんて
ない

幻でしか
ない

何もないよ
否定の王様が言う

ここには誰の
声もなく
笑みもない

否定の王様
打消しの銃を
乱れ撃ち

ひとつふたつの喜びも
なかったことにしてしまう

これまでもこれからも
何も何も
希望なんて
ない

幻でさえ
ない

否定の王様
打消しの銃を
乱れ撃ち

すべてを打消してしまう

何も何も何も
何もないよ

私でさえ




束の間の眠りから覚めた猫が、下りてきてマウスに噛み付く。電子頭脳につながれたマウスは、逃げる場所も術もなく、猫の小さな気まぐれに捕まってしまう。カリカリと爪を立てると削除ボタンが選択される。
「本当に削除しますか?」
はい。猫が静かに返事をすると、お婆さんの日記は跡形もなく消えてしまった。
何事もなかったように、猫は床上に着地し、お婆さんの方を振り返った。

その横顔は、秋空に走る一本の打ち消し線のように真っ白だった。

「よくあることさ」
お婆さんは、強気に言い放った。
特に誰が見るというわけでもないしね。
それに、あってないようなことばかりだったし……。
一日を顧みるようにして、猫の瞳を覗き込む。
瞳の奥では、赤々とした秋の中で釣り人の糸が垂れていて、その先にはカラフルなお菓子たちが優しい風に舞っている。心地良い風は、時折情熱的な子守唄となって眠りを誘う。むにゃむにゃ。
ジリリリリン…… ジリリリリン……
お婆さん、電話ですよ。お婆さんを呼ぶ、猫の声が聞こえる。

埃を被った受話器を、お婆さんは久しぶりに取った。
「もしもし。」

「あっ、間違えました」

……。




スポンサーサイト

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
リンク(相互、片道、色々…)
最近の作品
最近のコメント
プロフィール

junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

最近のTB / 返詩
そんなカテゴリー
折り返し地点

『折句ストレート』

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリー素材のある場所

・天の欠片
・e-素材web
・素材屋さんromance.com
・アイコンワールド




RSSフィード
月別アーカイブ
フリースペース

フリー百科事典
『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。