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2008-04-28 Mon 14:05
思えば、お婆さんは家族のようなものだった。
テーブルに着くと、店員さんが水を運んできてくれた。 お婆さんは、読んでいた新聞をクルクルと丸めるとソフトクリームのカップのような形になった新聞の中に水を注いでみせた。 それから新聞を広げると、不思議なことに新聞はひとつも濡れていなかったのだ。 猫は、テーブルの上に身を乗り出して驚いた。 そして、驚いたら当然のようにお腹も空いてきた。 ファミリーレストランには、食べたいものが何でもあった。 猫とお婆さんは、仲良くメニューを眺めてアットホームな時間を過ごした。 ツルツルしたメニューの上に、猫の手がペタペタとしるしを残していく。 頃は良しと呼び出しのボタンを押す。 呼び出したけれど 来てくれるかは わからない 来てくれたから 何かを告げるかは わからない 告げた言葉が すべて本当かは わからない 僕にはまだ わからない 声を出したけど 伝わったかは わからない 伝わったけれど 届いているかは わからない 届いたから 返ってくるかは わからない 僕にはまだ わからない 一緒にいるけど 好きかどうかは わからない 好きと言うけど 好きかどうかは わからない 明日も明後日も 好きかどうかは わからない 僕にはまだ わからない 離れていったけど 嫌いかどうかは わからない 告げた言葉が すべて本当かは わからない 好きだったけど 好きだったかは わからない 僕にはまだ わからない ずっとずっと 程なく店員さんがやってくると、お婆さんはお手洗いの場所を聞いた。 店員さんは、丁寧に説明を終えると帰っていった。 それから、お手洗いに行くかと思うとお婆さんは動かなかった。 今は、お手洗いには行きたくなかったのだ。 またボタンを押すと、店員さんがやってきて水を入れてくれた。 お婆さんは、新聞をクルクルと丸めて、得意の手品を披露すると店員さんはパチパチと拍手をして帰っていった。 そろそろお腹がペコペコになってしまったので、猫は呼び出しボタンを押した。 今度は本題に入らなければ、何をしに来たのかわからない。 間もなく店員さんがやってきた。 すると、お婆さんはプロポーズした。 猫は、椅子から滑り落ちてしまった。 しばらくの間、立ち直ることができなかった。 その横顔は、家族会議のひび割れたテーブルのように修復が難しかった。 店員さんが、猫の席に座っていた。 楽しそうに会話が弾んでいる。 何がどうなっているのか、さっぱりわからない。 猫は、よろよろとふらつきながら、ゆっくりと店を出て行った。 もう、どうでもいい……。 まずは何か、食べ物だった。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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