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別れのパレード

ダンス・マジックの会がストリートをステージに変える。
クルクルと回ったかと思うと、ふわふわと宙に浮いたりする。
ロボットのように角ばったり、頭を取り外したりして人々を驚かせた。
次に出てきた若手課長の会は、対照的に静かだった。
正確な間隔を保ったまま、一列になって通り過ぎた。
続いて、ゾロゾロと青い軍団が歩く。
服も青い。帽子も青い。靴も青い。
すべてが青いというだけの集団が歩いている。
今にも、ひと雨きそうな曇り空の下で秋のパレードが続く。

「何者なのだろう?」

猫は、謎の一団に好奇の眼差しを送りながら、沿道を歩いていた。
海を愛する青年たちか、青空を信仰する人々の集まりか……。
あるいは……。
謎の途中で、ポツリポツリと落ちてきた。



ポツンとひとり
僕だけのパレード
仲間はいない

演じることは
何もない

たったひとりの
寂しいパレード
大勢の人が見てる

ポツリとひとつ
雨粒落ちて

ポツリとひとつ
次々落ちて

てくてく黒く
跡をつけてく

たったひとりの
寂しいパレード
知らない人が見てる

ポツンとひとり

残ったひとり

誰も続かない

虹のパレード




青の一団が通り過ぎると、続いてお婆さんが現れた。
けれども、今までの団体と違ってお婆さんは一人だった。
どうして、お婆さんが参加しているのだろう?
お婆さんの仲間たちは、どこに行ってしまったのだろう?
代わりに、自分が飛び込んでしまおうか……。
猫の心配をよそに、お婆さんは前だけを見て歩いていた。
降り出した雨を気にする様子も、周囲の視線を気にかける素振りも一切見せなかった。
猫は、そんなお婆さんの姿勢を静かに見守ることに決めた。

その横顔は、祝福を禁じられたパレードのように寂しさに満ちていた。

雨が上がる頃、ダンス・マジックの会は空の彼方へ消えてしまった。
課長の会は、人々の記憶から消えてしまっていた。
そして、青い軍団は、白い軍団へ姿を変え謎を深めていた。
くっきりと浮かび上がった虹の上を、お婆さんは歩き始めた。
それは、天国へと続いているように美しかった。
追いかけていこうか、
猫は、少し迷っていた。





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テーマ : 詩・唄・詞
ジャンル : 小説・文学

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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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