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万能キャット

ひとつひとつ、女の説明は整っていた。
その完全な口調で物を売っているのだ。
今度のロボ・キャットは、家事もできるという。
洗濯から掃除から、お留守番までも……。
女は、その優秀さに対して熱弁を振るい、
お婆さんは少し疲れてきたけれど、
猫は相変わらず眠っていた。



生まれたての春のように
いつまでも瑞々しい
永遠を
あなたにひとつプレゼント

痛みは溶けて
傷は消えて
ひとつひとつ
根が生えて

あなたは
不満を遠ざけるでしょう

もぎ立ての果実のような
いまにも輝ける
美を
あなたにひとつプレゼント

見た目はすべて
思いの通り
ひとつひとつ
皺は消えて

あなたは
望みを手に入れるでしょう

毎日が
穏やかに晴れて

泣きたい時に 泣くでしょう

やがて
そんなきかいが 来るでしょう




「怠けることを知らない、パーフェクトぶり。
 あなたのパートナーに、ぜひお買い求めください!」

風の逃げ場もないほど完璧な説明を終えて、
女は言葉を締め括った。
その表情は、ロボットにも負けないほどクールに映る。

「そんなものの、どこが面白いのかね?」

キョトンとした顔で、お婆さんが聞いた。
あるいは、答えたのかもしれない。
ベッドの上で、猫の頬が少し反応したように見えた。

その横顔は、気まぐれに膨らんだ風船のようだった。

一定のようなリズムで寝息が聞こえてくるが、
それはやはり、ゆらいでいるのだ。
お婆さんは、わかっていた。




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テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

Comment

コラム掲載サイトから来ました

とても不思議な感じがする文でした。
不思議なまま最後まで読まさせていただきました。
読んだ後も後味の良い、感覚が残りました。

はじめまして
私は【おとなのコラム】【おとなのアート】というサイトの運営スタッフです。
ここで、読者の方々からお送りいただくコラムなどの書き物やアート作品を毎週掲載しています。
そして、楽しい、素敵な文章を書く方、アートを描く方を日々探しています。

もし宜しかったらサイトに遊びにきていただけませんか?
お待ちしています。

簡単ですがご挨拶です。
失礼いたしました。

運営スタッフさん、はじめましてv

不思議に感じていただきありがとうございます!
不思議なものには、憧れを抱きます。
もっと不思議なものを書きたいと思いつつ、
気がつけば現実的なものに流されていて、
なかなか思うようにはいきません(^^)

コラムもポエムもストーリーも、
時には重なり、交じり合うものだということを、
最近はよく思うようになりました。
ジャンルは分類しなければ、わけがわからない(?)けれど、
分類しすぎても自分で損をする時がありますね。

サイトの方、少し拝見させていただきました!
色々見るところがあって迷いそうになりながら(笑)
まだ、新しいところなんですね。
ポイントってとこに、時代を感じます♪
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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『折句ストレート』

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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