スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

星空のメリーゴーラウンド

世界が廻るように、猫はグルグルと廻っていた。
もう夜だというのに、猫とお婆さんは帰ろうとはしなかった。
梅雨だというのに、雨は落ちては来なかった。
そして夜は、何かを思い出すようにゆっくりと星を映し始めた。
お婆さんは首を傾けて、自分なりの星座を唱え始める。
深く座り直した椅子が、ギシギシと言った。

もう何周目だろうか?
猫は、夜の降りたグランドの上を廻っていた。
生まれたての地球のように、誰の声もしなかった。
  みんな、廻っているのだ……
  いつだって繰り返し……

猫は廻る星たちの運命について考えて、息を吐いた。
  今だって……
  きっと、誰もが迷いながら廻っている……

けれども、お婆さんは眠りの世界を彷徨っていた。



流星が降り注ぐ

銀河の中を

僕を乗せた船が

永遠に廻る

いつのまに

はぐれてしまった

きみはもう

地上に帰り着いただろうか


抗えぬ引力に

捕まった船が

蒼い星遠くに見て

いつまでも廻る

サイダァの

泡みたいに弾ける

星屑が

きみの目にも見えるだろうか


誰もいなくなった

孤独のメリーゴーラウンド

幾ら廻ってみても

きみを見つけられない


雨のよに降り注ぐ

流星の中を

僕を乗せた馬が

永遠に巡る

いつの日か

一緒に駆けてゆく

夢を見て

きみの星を見下ろした




見上げると、今にも星が落ちてきそうだった。
小さな猫にとっては、この場所は広すぎる。
たった一つの思い出の結晶を見つけ出すには、
とても、とても広すぎる。
お婆さんの手からはぐれた指輪を、
ついに猫は見つけ出すことができなかった。
そして、音もなく星は降り始めて、
猫は、そのキラキラとした匂いに少し寂しさを覚えた。

その横顔は、メリーゴーラウンドに残された一粒の雨のようだった。

横殴りの星が、ゆらゆらと激しさを増してきた。
猫は眩しそうに、目を伏せた。





                文…junsora
                詩…あーるぐれい


『どこにもかえらない』 
一万ヒット記念、リクエスト三巡目「雨のメリーゴーラウンド」 。
あーるぐれいさんより、頂きました。
ありがとうございました。
スポンサーサイト

テーマ : 詩・唄・詞
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
リンク(相互、片道、色々…)
最近の作品
最近のコメント
プロフィール

junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

最近のTB / 返詩
そんなカテゴリー
折り返し地点

『折句ストレート』

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリー素材のある場所

・天の欠片
・e-素材web
・素材屋さんromance.com
・アイコンワールド




RSSフィード
月別アーカイブ
フリースペース

フリー百科事典
『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。