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キャットサル

猫は飛び出した。
右足でパスを受ける。
詰めてきた猫をひらりとかわす。
猫をかわし、猫をかわし、猫をかわした。
猫は更にもうひとりの猫をかわして、ゴール前に迫る。
必死でカバーに入る猫。
ファーサイドに味方の猫がいるが、猫はゴールしか見えていない。




何もない時に
目に映るゴールは
玄関のように近いけれど

始まらない時
ただそこにあるゴールは
宇宙のように大きいけれど

物語が動く時
ゴールは
じっと動かずに

種々の障壁が
少しずつ
少しずつ

ゴールを小さく霞ませて
幸福のように
見えなくする

静止した時間に
ゴールは
ポケットのように近いけれど

何かが動き出した時
世界が動き出した時

僕らも動き出すのだろう

時のゴールを見失わないように

ひとつのいきものとして





猫は鋭い切り返しで猫をかわすと、左足でシュートを放った。
シュートは猫の真正面に飛んで、猫が無難にセーブした。
ファーサイドにいた猫が不満げに奇声を上げる。
けれども、猫は気にしない。
自分のシュートの精度のみを反省していた。

その横顔は、個人技を磨き続ける猫のように光って見えた。

次こそは……。
猫はまた走り出す。 




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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

ええっ~?キャットサル?題名から爆笑。
しかもゴールについて考えさせられちゃいました。
解説が細かくて試合の状況が異常にわかっておかしかったですv

猫が猫をかわす様子が爽快感があって好きです。
>自分のシュートの精度のみを反省していた
クールですね。

私のゴールはどこにあるのやら。というか、どこへ転がっていくべきなのかもわかりません。
ゴールネットぐらいは張れるようになりたいです。
シュートできるかはわかりませんが。

ご訪問ありがとうございます。
ネコはかわいいのですが、いつもそっぽを向かれます・・・。

>あおはさん

コメントありがとうございます。

題名がヒットして良かったです♪
これからブレイクする競技かもしれません^^;
少し解説者の気分になれました。
延々細かく説明していくのは、実は好きなんですよ。



>イーゲルさん

コメントありがとうございます。

きっと爽快な光景ですよ!
猫はとてもシュートの意識が高い猫で、
その反省点もそこに集中してしまうようです。

どこにあるのか見つけるのは大変ですね。
見つけた時にはポストに嫌われたりもして^^;



>椎葉さん

いらっしゃいませ!
コメントありがとうございます。

そっぽを向かれると、
尚更知りたくなったりします。
それもいいのかもしれませんね♪


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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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