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新しい旅『夢後悔』

気がつくとお婆さんも、猫と並んで夢に落ちていた。
お婆さんも疲れていたし、やはり少し飲みすぎたのだ。
二人並んで眠りながら、二人とも夢見ながら……
けれども、見ている夢は全く違っていた。





温かい布団の
遥か彼方

誰の目にも
触れたことのない
高い塔の上

雲を見下ろしながら
背中の翼を広げて

雪の中に降下すると
どうか魔女よ
忘れないでと

寒さは息を白くして
僕はもっと白くなって

夢の塔に 別れを告げて

夢の魔女を 夢に返して

寒さは時を長くするけど
もっと長く夢の塔に
留まれば
物語には春もあったが

醒めている時の
習慣は深い

警戒心は溶けることなく

何度も優しさ
遠ざけるだけ

夢と知っていれば

もっと自由で もっと楽な
自分があったのに

嗚呼 夢の魔女よ

なぜ教えてくれなかった

なあ 夢の塔よ

もう一度 引き上げてくれないか

もう一度 呼んでくれないか






「おはようございます!」

女将の呼ぶ声で猫は、起こされた。
夢の終わりはいつも唐突だ。
それでも猫が夢見ることを止めないのは、生きている証しなのだ。
猫とお婆さんは追い出されるように、宿を後にした。

公園通りを歩いていると、賑わいの中からおいしそうな匂いが流れてくる。
猫はお婆さんの顔を、問いかけるように見上げた。
その横顔は、夢の質問箱のように疑問が詰まって見えた。
賑わいの中から、もちが一枚飛んできた。






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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

夢と知っていれば もっと自由にすればよかったと私もよく思うときがあります。でも夢ってそういうものですよね。なんとかなりませんかねぇ(笑)最後のもち!さすが新年(笑)ですね。

ありがとうございます

あおはさん、コメントありがとうございます。

夢の自分をコントロールする方法があったら
とても興味がありますね!
時々同じ登場人物、似たような場面に遭遇します。
夢にも隠されたテーマが流れているのかもしれません。
3日間眠り続けて、たくさん夢を見ました。
一年分を見てしまったような(笑…)

ひとつの餅を食べる間に、正月ももう過ぎいくのですね。
やはり早いですね♪
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おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
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「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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