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新しい旅『水入らず』

人形の笑い声から逃げるように、歩いた。
気がつけば今日もまた夜が訪れている。
たどり着いた温泉旅館で、一休みしよう。
女将は人間らしく、お婆さんと猫はとても安心した。
温かい湯の中に、冷え切った体をゆっくりと浮かべた。
猫とおばあさんは家族水入らずで……




涼しげな顔で
雪だるまみたいに
浮かんでいたね

白い顔で
たまごみたいに丸く
浮かんでいたね

ほんとは
ずっと耐えていたの
あなたは黙ってじっと

芯は強そうに見えるけど
外からは決してそれは
見えないものなのに

開始の合図があって
終わりの時は
決まっていないように

僕らはあえて
柔らかい体で
完成しないまま

僕らはみんな
届かない心を
内に秘めている

星のひとつのように
新しく輝きながら
あなたは浮かんでいたね






いつまでも、いつまでも浸かっていたい気分だった。
けれども、猫の茹で上がりそうな顔を見てお婆さんは考えを変えた。

部屋に戻ると、猫は白い布団に酩酊しながら行き着いた。
少しお酒を飲みすぎてしまったのか、もう半分夢の中にいるようだ。
夢の中で誰かとしゃべっているように、時々寝言をはく。
その横顔は、夢見る温泉たまごのようにぷっくりと膨らんでいた。
きっと楽しい夢なのだ。






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Comment

あけましておめでとうございます。

昨年は時折の訪問ありがとうございました。
あんなブログですが、今年もまたよろしくおねがいします。

Tom_ysさん、明けましておめでとうございます!

時折お邪魔させていただき、ありがとうございました。
こちらこそ、今年もよろしくおねがいいたします。
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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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