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新しい旅『人形の町』

人形の名前はフランソワと言って、
日本生まれ日本育ちの一人の日本人によって作られた、
一体の藁人形だった。
この町にも、昔は人々が暮らしていたのだけれど、
今では、人形だけが暮らす平和で良い町になってしまった……
フランソワは人形の町の寂しい歴史を、正しい日本語で、
お婆さんたちに、話して聞かせてくれたのだ。





ふふふふふ

フランス人形ふらついて
藁人形 笑ってる

ふふふふふ
ふふふふふ

フランス人形福笑い
藁人形 吹き出した

ふふふふふ
ふふふふふ

フランス人形フライング
藁人形 笑い飛んだ

ふふふふふ
ふふふふふ

フランス人形福引ひいた
藁人形 引き笑い

ふふふふふ ふふふふふ

フランス人形腐乱して
藁人形 泣き笑い

ふふふふふ






ふふふふふ……  ふふふふふ……

フランソワは悲しそうに笑いながら、
けれども急に目つきが険しくなった。

「おまえたちのせいだ!」

藁人形はメラメラと燃えながら、お婆さんに襲い掛かった。
猫は藁人形につばを吐きつけながら、鋭い爪で足払いを浴びせた。
人形は大の字になって倒れたまま、メラメラ燃えていた。

お婆さんに抱きかかえられ、人形の町を後にしながら、
猫は頻りに振り返った。
その横顔は、暴かれたカラクリ人形のように憂いに満ちていた。
猫は時々、フランソワのことを思い出して手を合わせる。

二人の旅は続いた。
再びお婆さんと、水入らずで……





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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

junsoraさん。私の知らないうちに新しい旅が出発してしまっていたようです。でも今度は猫だけの旅でないので、なんだか安心できる気がします。で、これ。。。。。もう最初のフランソワという名前で藁人形ってとこから爆笑です。こわいんだかおかしんだかわけわからないところが思いっきりツボです。ふふふふふ が怖い怖い。しかも繰り返されちゃってはもう・・・これ大好きっ!

ありがとうございます

あおはさん、コメントありがとうございます。

新年に因んで新しい旅です!(すぐ終わりそうな)
はい。ひとり猫旅もいいですが、旅の仲間がいるのは魅力的ですね♪
自分自身、そんな旅への憧れもあって……

フランソワは不気味さと滑稽さを持ち合わせた存在かもしれません。
おかしな恐怖に浸ってもらえたようで、よかったですvv

ふふふふふ……
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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