スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スプーンおばあさん

「曲がれー、曲がれー!」

おばあさんは、魔女が呪いをかけるように語りかけた。
超能力おばあさんとして、テレビに出るつもりなのだ。
猫は、呆れ顔でおばあさんの恐ろしい顔を見ていた。
舌打ちをすると、おばあさんは次のスプーンを手に取った。





おばあさんのスプーンは
一つじゃなくて
石の数ほど
散らばってる

銀のやら金のやら
長いのやら短いのやら
丸いのやら尖ったのやら
錆びたのやら光ったのやら

おばあさんのスプーンは
とてもじゃなくて
梨の数ほど
実ってる

勢揃いのやら不揃いのやら
真っ直ぐなのやらカーブなのやら
合ってるのやら間違ってるのやら
まとまったのやらはみ出したのやら

おばあさんのスプーンは
理屈じゃなくて
虫の情けほど
溢れてる

大ベテランやら新人やら
何だったのやら噛んだのやら
あきらめたのやら輝いたのやら
失くしたのやら見つかったのやら

何やらかんやら
言うてるように
統一感がない奴ばかり

みんなそれぞれバラバラ
みんなみんな好き勝手に

曲がりなりにも
個性豊かな顔ぶれで

それはスプーンのように
世界を救ってみせるのさ






おばあさんは次々とスプーンを替え、それは小さな挑戦ではあったけれど、おばあさんの有り余る熱意はまだ醒めることを知らないのだった。
けれども、猫は思った。
やり方を変えるべきなんだと……。

おばあさんは、執念深い魔女の目で反応のない敵を溶かさんばかりに見た。
その時、猫はおばあさんの腰が少しだけ伸びたのを見た。
その横顔は、一粒の老いを掬い取ったスプーンのように驚いていた。







スポンサーサイト

テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

おばあさんったら(笑)かわいいです。
~やら~やらとやらがいっぱいで、みんなちがってて、その個性がいろいろだからこそ 世界が救える(掬える?)んですよね。そうきたかっ!と頷きました。
で、おばあさんの歳もすこしだけ掬ったんですよね(笑)ぜったいこれって呪文が間違ってる気がします。

あおはさん、コメントありがとうございます。

おばあさんは、熱中し始めるとかなり熱中するおばあさんのようですvv
でもそこも、おばあさんの若さの秘訣なのかもしれませんね!

そうです。色々と言葉を並べて遊んでいるんですが……
最後にメッセージ性が出すぎているのが気になりますね(笑)

でもお婆さんの腰が伸びたのは、きっと良いことです。
本来の狙いではなかったにせよ、いいことですね♪
非公開コメント

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
リンク(相互、片道、色々…)
最近の作品
最近のコメント
プロフィール

junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

最近のTB / 返詩
そんなカテゴリー
折り返し地点

『折句ストレート』

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリー素材のある場所

・天の欠片
・e-素材web
・素材屋さんromance.com
・アイコンワールド




RSSフィード
月別アーカイブ
フリースペース

フリー百科事典
『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。