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小さな幸せ 

おばあさんの手からかっさらった。
ビスケットは猫の口の中で幸せな音を立てた。
猫は顔をくしゃくしゃにしながら、目を輝かせた。
おばあさんの元に戻ってくると、手からさらっていった。
空っぽになった、おばあさんの手はたくさんの皺が広がっている。




幸せは
小さな小さな旅人

とても小さな旅人は
長く落ち着くことが苦手

どんなに大事に迎えても
いつも
出発の準備をしている

小さな旅人は
行き過ぎることばかり

幸せは
気まぐれな小人

秋空ほどに
気まぐれな小人は
長く留まることが苦手

どんな笑顔で迎えても
いつも
逃げ出す準備をしている

気まぐれな小人は
行き届くには小さすぎる

幸せは
いつも風のように

ふんわり甘く
どこでも形なく
早足に

駆け抜けて
長くは続かない

新しい幸せに続くために

彼はまた
歩き出す

誰もに
惜しまれながら

彼はまた
旅に出る





猫は戻ってくると、おばあさんの空っぽの手に小さな手を乗せた。
おばあさんはそっと猫の手を握り返すと、優しく額を撫でた。
「もうないの?」
猫はいつもそんな顔をする。
おいしいものがなくなった後では……
その横顔は、幸福に包まれた不幸のように少しだけ寂しそうだった。








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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

すぐに逃げていく小さな幸せ。それが去った後の寂しさが、前後のお話とともにとても伝わってきました。なんだか今日のおばあさんが優しくて、甘えてる猫がかわいくて!わたしまで幸せな横顔・・・に(笑)

ありがとうございます

あおはさん、コメントありがとうございます。

過ぎ去った後の道は、訪れた小ささを恨むほどに寂しい風が吹きつけるものですね♪

小さなすばしっこさで、それはいつも逃げていってしまうけれど
小さなすばしっこさで、それはどこにでも入り込んでくる
それを見つけ、拾ってあげたいものですね。
小猫を拾い上げるように……

顔色ひとつ変えてもらって、ありがとうございます!
横顔冥利に尽きますvv

幸せは捕まえるのではなく、迎えるもの、なんですね。
おばあさんと猫がまた、可愛くて可愛くて・・・vvちょっとだけ、幸せになったような気がしました。ありがとうございました。

時雨さんへ

時雨さん、コメントありがとうございます。

必死になって捕まえようとするほどに、逃げていくことがありますね!
猫が尻尾を追うように、気がつけば同じ場所を回って疲れたり(笑)
もういいやって忘れかけた頃に、訪れてくれたりします。

いつでも迎えられるよう、心をあけておきたいです。

おばあさんと猫を、可愛く想ってもらってありがとうございますvv
こちらこそ、幸せな気分になれました♪
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junsora(望光憂輔)

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おかしな比喩を探し求める内に
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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