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無力な指先で

とうとうおばあさんは寝たきりになってしまった。
あんなに元気だったおばあさんが…
一緒に奇跡の水を飲んで、一緒にブロッコリーの木の下で一番星をみて…
耳は随分遠くなっていたけれど、元気な声でうたっていたのに。
猫は枕元に座っておばあさんを見つめていた。
額に手を当ててみると少し熱かった。
もう丸一日おばあさんは動かなかった。



僕の指に傷を癒す力はない
それでもきみに触れている

いつかきみの指先が動くように

僕の目にきみをとかす力はない
それでもきみを見つめている

いつかきみの目が開くように

僕の声にきみを動かす力はない
それでもきみに話しかけている

いつかきみの唇が動くように

僕には何の力もない

治すことも
癒すことも
何もできないけれど

それでもきみのそばで
ずっときみを見守っている

いつかきみが言葉を思い出すように
いつかきみが笑顔を取り戻すように

そんな日を待ちながら

届いているかわからないけれど
それでもきみに語りかけている

いつかきみが僕を思い出すように
いつかきみが自分を取り戻すように

魔法を使えない無力な僕は

それでも僅かな希望を胸に

微かに息をもらすきみに触れながら

ただ静かに時を過ごしている

今日もずっと

きみと一緒に





「ふあー、だいぶましになったよ」
突然、おばあさんがベッドから起き上がった。

「季節の変わり目はいつも風邪をひいてしまうね…」
案外大丈夫そうなおばあさんを見て、猫はクルクルと宙を一回転した。
猫も少し元気になったように。
その横顔は、季節の変わり目に吹くそよ風のように優しかった。





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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

ほっ、と…

横顔の描写がないと思ったら、最後でしたね。

びっくりさせられましたが、ただの風邪だったようで安心しました(^_^;)

ありがとうございます

yosukeさん、コメントありがとうございます。

横顔の描写がないとこから発見するとは……
なんかすごいうれしかったです♪

ちょっと冒険してみました。
センタリングが戻せなくて苦闘しながら(汗)
でも、この形もいいなあと、やってみて思いました。

実は、ただの風邪でした^^;

猫の横顔の描写、大好きですから(^^)v

>センタリングが戻せなくて苦闘しながら(汗)
…にむしろサッカーを想像してしまいましたw

面白い冒険でした♪

サッカーブログ?

yosukeさん、さらにありがとうございますvv
横顔ブログやってて良かったです♪

そうそう、センタリングを戻して猫にゴールを決めてもらおうとしたんですが、そのまま流れているから何やっているのかと思いましたよ(笑)

冒険つづく☆
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おかしな比喩を探し求める内に
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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