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人の数だけ

「人がひとり…」
猫はおばあさんのベッドの真中で人を数えながら、夢の入り口を彷徨っていた。
人がもうひとり…
人がまたひとり…
人の顔をした人がひとり…
たんさんの人がひとり…
ひとりひとり過ぎっては消え過ぎっては消える。
けれども、その横顔は猫にとっては皆同じように人だった。



子供は無邪気
大人はずるい

やっぱりそうか
この人もそうか

女はしゃべる
男は組立てる

やっぱりそうだ
あの人もそうだ

パターン通りで安心だ
人を通して人をみていた

A型だから
山羊座だから

若いから
酔っているから

ことによっては言の葉のままに
あなたを見ずにあなたを見ていた

だけど美しい空も
きょうは恐ろしくみえるみたい

自然のつくりだすものは難解だから
それは日によっても変わるのにね

地球は丸い
火星は遠い

知識人は無知
地底人は掘り起こす

やっぱりそうか
今度もそうか

イメージを当てはめれば単純だ
だから人を通して人を見ていた

金持ちだから
左利きだから

先生だから
野良猫だから

よりによっては寄りかかるように
誰かを通してあなたをみていた

だけど楽しい曲も
彼女にはかなしく聴こえるみたい

背景を描き出すものは複雑だから
それは人によっても変わるのにね

ひとりひとり
人はひとり

やっぱりそうか
わたしもそうか


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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

人をとおして人を見るって表現になんかがつーんとやられました。
地位、肩書き、言葉。
必要なようで本当の自分を惑わす存在でもあるなあと感じます。

猫が数えるのが「羊」ではなくて「人」といところがなんともおかしいです。自分が眠れないときに「人」を思い浮かべて数えたら、なんか穏やかにはなれない気がして、それが「羊」というのも実はよくかんがえられていたんだなと・・。
環境、時代、性格、数多くのものに影響されて在る「個性」というものをある一面でまとめてしまう危険性を考えさせられました。まさにあなたを見ずにあなたを見てた。ぴったりな表現ですね。そして最後の4行がとても重く心に残りました。

佐田晶さんへ

佐田晶さん、コメントありがとうございます。

矛盾っぽい表現だけど、気に入ってもらえてうれしいですvv

どこかでみた人を通して目の前にいる人をみてしまう。
過去の経験、学習能力を駆使して…
それはとても役立つことも多いけれど、危険なこともありますね。

惑わされずに本当の姿をみれたらいいですねvv

あおはさんへ

あおはさん、コメントありがとうございます。

やはり猫が「羊」を数えるのはちょっと不自然なのではないかと思ったりして^^;

なるほど言われてみれば…
数えて気持が穏やかになる存在でなければそれは意味を成さないのですね!

ただ何となく眺めているだけでは人はみえませんね。(当たり前かもしれませんが…)
実際に自分が人にどう見られているかというのは、人によっても違うのだろうし自分のイメージともかけ離れているのかもしれません。

最後4行は、自分自身への戒めの意味も込められています。
あるいは、人はやっぱり違うんだという希望と絶望の織り交じったような奇妙な感覚が(笑

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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