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ただいま

ただいまの合図だった。
扉を4回叩くと、静まり返った夜の中でドアが開いた。
おばあさんが出迎えてくれた。

泥まみれ
汚れた顔を
手で拭う
いまは何にも
言わなくていい

おばあさんの詠う歌を、猫はだまって聴いていた。
けれども、優しい夜の中でおばあさんの手の中で、猫はゆっくりと笑顔を取り戻していった。
それからテーブルの上に飛び上がると、体を伸ばしたり、後ろ足で顔をかいたりした。
いつものように…
その横顔は、婆の動かない城に帰還した王様のようだった。



距離を置いてみた
少しの間
心を止めてみた

それではっきりとわかった
内なる気持ちが浮き出てきた

時間を置いてみた
束の間
心を離してみた

思ってもみなかった
これほどまでに好きだったと

近くにいて知らなかった
好きの度合いがこれほどと

少しくらいは平気だと
何も変わらないものだと
わかっていた

距離を置いてみた
一度は消えようとした
自分の居場所が
わからなかった

思い込みだった
消せない想いが残っていた
自分の居場所は
やっぱりそこだった

思っても言えなかった
どんなにあなたを好きだったか

近すぎて気がつかなかった
これほどの愛が宿っていたと

少しの間離れてみたら
たくさんの愛が輝き始めた

混沌の時の向こうに
本当の自分がみえてきた

私の居場所は

やっぱりここだった



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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

おかえりなさいv

旅を終えて帰ってきた猫に。

どんなに遠くまで行っても、どんなに長いこと離れていても、そこには「いつも」が待っててくれる。
そんな場所があることはステキですねv

ついに感動の再会ですね。
なにも聞かず、でも歌なんかうたっちゃうおばあさんは、お茶目でかわいいです。
迷いがなくなったからこそどうどうとして 帰還した王様でいられるのですよね。
「私の居場所は やっぱりここだった」この言葉を眺めているだけで、じ~んとしてしまいます。
ああ、よかった。よかった。

あーるぐれいさんへ

あーるぐれいさん、コメントありがとうございます。

月が変わってしまいましたが、やっと帰ってこれましたv

待っているものがあるというのは、恵まれていることですね。
心の旅から戻った後では、自分のいつもの居場所もそれが長年暮らした家であってもどこか奇妙に感じられてしまうものですね。
案外猫にとってはそうではないのかもしれませんが(笑…)

あおはさんへ

あおはさん、コメントありがとうございます。

猫に多くを語らせないところに、王様と婆の間に通い合った秘密の会話があるように感じられて少し羨ましく思いますv
自分の居場所というものをすぐに手にすることもあればなかなか見つけられないこともあるけれど、どれだけ遠回りしてもそれを見つけられるなら、どんなに小さな居場所であったとしてもそれはきっと素晴らしいものなのでしょうね。

何か一区切りついたようなおかしな気分です…
気持ちを切り替えていきたいですねvv

ホッ・・

ホッとしました。。
迎えてくれる人や自分の場所があるから戻れるし、また反対に出てゆけるのかもしれませんね。
何度同じ場所に戻っても、そのたびに気持ちは変わっているものだし、、。
それを、成長と言うのでしょうか(´ー`)
心を止めて・・浮き出てくる気持ち・・なにがどうとは説明できないんですけど、いいなぁと思いました。

レニさんへ

レニさん、コメントありがとうございます。

ホッとする場所、ホッとする瞬間ていいですねv

自分の場所を知っていると人は強くなれるような気がします。
自分が変われば同じ場所も、丸っきり同じではなくなっているのでしょうね。
そして繰り返されるものの中で人は成長していくのかもしれませんねv

ずっと動いていると見えなかったものが、止まった瞬間見えてくることがあります。
そうした時間も案外大切なのかもしれませんねvv
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おかしな比喩を探し求める内に
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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