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猫といた夏

カチッと音がした。
おばあさんが片手でたまごを、見事に割ったのだ。
お椀に落ちた黄身はウサギの空に浮かぶ島のようにひっそりと揺れた。

落ちていく
婆のみごとな
手さばきで
ふわふわ浮かぶ
平和な小島

猫は一句詠い終えた。
けれども、おばあさんが箸を突き刺し、回し始めた。
「混ざれ、混ざれ、混ざり合えばいいのさ…
かなしみの炎も駆け出しの昨日も…」
おばあさんは、そうしてまた創造と破壊を繰り返すのだろうか…
猫は複雑な思いで目を丸めている。
その横顔は、水平線を真っ直ぐ歩く夏のウサギのようだった。



たまごをといていた
その間ずっときみといた

きょうは朝からきみといた

ほつれた雲をといていた
そしたらアイスがとけてしまった
きみは冷たい目をしてた

先生礼節といていた
その間僕らは暗号といた
奴らはいつも謎混じり

白い靴紐とけていた
そしたらひとつの誤解がとけた
笑いながらふたりで歩いた

たまごをといていた
その間ずっときみといた

昨日は一日 きみといた

赤い髪をといていた
その間ひとつの謎がとけた
花火の広がりになびきながら

夏の絵の具をといていた
その間僕らはうちとけた
ふたりで短い夏を描いた

先生呪いをといていた
その間お化けは武装をといた
あとは少し涼しくなった

たまごをといていた
その間ずっときみといた

あれからずっと きみといた
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テーマ : 詩・唄・詞
ジャンル : 小説・文学

Comment

リズム

言葉遊びと、リズムが素敵ですねv
軽妙洒脱、という感じがします。

近頃、こういう遊び心が足りない気がする自分の詩を振り返ってみたりして、遊びたい気分になりましたv

イメージ

junsoraさんの詩を読んでると、いつも漠然とした色つきのイメージが浮んできて
その意味に確信は持てないながらも、なんか納得してしまいます。
わかりにくい微妙な言い方でごめんなさい(汗

『とく』という言葉に、たくさん表現があったことを思い出して、得した気分です。
すぐに絡まるいろんなことをほどきながら、それも大事に楽しみながら
まっすぐ時を生きてゆきたいですね。

あーるぐれいさんへ

あーるぐれいさん、コメントありがとうございます。

素敵に想ってもらえて、とても励みになりますvv
「軽妙洒脱」ですか?
その四字熟語は熟知してなかったです^^;
またひとつ勉強になりました。

あーるぐれいさんは、領域が多様なのでその分の苦労もあるんでしょうね。
私はすぐに遊びが前に前にと出てきてしまいます(笑…)
でも私の詩で、遊びたい気分になってもらえたら、ちょっとうれしいですvv

実はもっと遊びたい方向もあるんですが、ちゃんと遊びきれるかなという不安もあって…
勇気のいる遊びもありますねv

レニさんへ

レニさん、コメントありがとうございます。

色をつけてイメージを浮かべてもらえたなら、とてもうれしいですねvv
私はイメージ比喩を敬愛していて、そのせいでよく人に伝わらないことがあります。
イメージというものは、とても曖昧で人によって同じではないですから…

全く意味のない箇所もあると思うので気にしないでください。
でも実は、なんかよくわからない中で所々、あるいは全体として納得してしまうというのが理想像であったりもするんです。
私の話の方が、とても微妙な方向に進んでしまいました。ごめんなさい^^;

得した気分になってもらってありがとうございますv
とくは色々あって楽しいですね。
やっぱりたくさん遊べる言葉って、遊び甲斐もありますねvv

お久しぶりでございます。
junsoraさん。


お元気でしたでしょうか?
毎回、思いますがやはりjunsoraさんの詩には不思議な空間があってすごいですね!!羨ましく思います。

私は、やっとテストが終わり、今日 詩を更新いたしました。
長い間全然PCに触れることが出来なかったので・・・
それでも詩は相変わらず書いていました。


そんなこんなで、これからもどうぞよろしくお願いいたします^-^*
また宜しければ、『月夜にみるきぃ』にも遊びにきてくださいね* デハデハ。

黄羅さんへ

黄羅さん、コメントありがとうございます。
お久しぶりですvv

得意でない暑さの中で、言葉と戯れることでなんとか気力と体力を保っています(笑…)
不思議な空間を思い浮かべてもらってうれしいですねvv
これからもより一層不思議な世界に入っていけるように、不思議な欠片を探し集めていきたいと思います。

テストは大変でしょうが、そんな中でも詩を続けておられることはうれしいです。
こちらこそこれからもよろしくお願いします。

ではまた遊びにいきますね ^^
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Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


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今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

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「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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