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気になる存在

まな板の上に置こうと思った瞬間、赤いボールはおばあさんの手の中から滑り落ち、それはテーブルの下で待ち構えていた猫の足下にピタリと収まった。
おばあさんからのパスをしっかりと受け取った猫は、得意の足技でテーブルの足をかいくぐり、狭い家の中を所狭しと駆け回った。
柄の付いた赤いボールは、はずむこともなく時に予測不可能な動きもしたけれど、猫は高い個人技で足下からひと時も離すことはなかった。
長時間に渡るキープに疲れた頃、おばあさんの声に応じて猫は、ようやくパスを返した。
蛇口から流れる水でボールを洗うおばあさんを、眺める猫の目は不思議そうだった。
その横顔は、試合前に出されたレッドカードのように驚きに満ちていた。


あなたはいつも気になる存在
見たこともないけれど
あなたに会ったはじめの時から

あなたはいつも絵を描く存在
会ったこともないけれど
あなたをみたはじめの時から

姿形も知らないけれど
あなたに出会ったあの時から
赤いリンゴのように
不思議な言葉は月の中でベルを照らす

同じ太陽で育つ同じ色のリンゴを
あなたも知っている
それがなぜだかうれしくて

あなたは月にリンゴを描く存在

会ったことさえないけれど
あなたと出会ったあの時から
紫のリンゴのように
眩い言葉は森の中の夜を灯す

同じ大地を駆けている
同じリンゴの転がりを
あなたも知っている
それすらなぜかうれしくて

私は森の中から眺めているだけ

あなたはいつも未知なる存在
あなたはいつも目の前にあって
私の中の気になる存在
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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

こんばんわ

はじめまして、レニと申します^^
ちょっと前にも読みにこさせてもらって、ゆったり不思議な世界だなぁと思ったのを覚えてます。
不思議・・大好きです。
だから詩とか書いちゃうんですよね(笑)

人によっては些細なことでも、「同じ」を知った時の嬉しい気持ち、よくわかる気がしました☆
自分のとっては些細じゃなくて、それこそが大事っていうか、、、
うまく言えないんですが(^_^;)

また来ますね。
それと、リンクさせていただきました。

ありがとうございます

レニさん、こんばんわ

ゆったりリズムで展開していますvv
勿論私も不思議は大好きです。
だから…
 詩を書くことは不思議好奇心と向合うことでもあったのですね!
 ひとつ新しい発見ができました。

「同じ感覚」「同じ景色」を持ち合っていることは素敵なことですね。
小さな共感こそ、私は大事に想います。

リンクありがとうございます!
こちらからも貼らせていただきますねvv

ホント不思議な世界ですね!
気になる存在っているんだよなあ!
別に好きってわけじゃないんだけど。

ノヴェリンさんへ

ノヴェリンさん、不思議パワーありがとうございます。

気になる存在というのは、いるものですねv
本気にはならないけれど、気になるとか…
なんとなく、不思議と気になってしまうような存在が(笑…)
あの人の頭の中は一体どんな風になってるんだろう?
などと、考えてしまいます。
わかりっこないんですけどね ^^

久々のお散歩でして。。

いつもながらに、ネコとおばあちゃんのお話に微笑んでしまいます。

あまのじゃくさんへ

あまのじゃくさん、お久しぶりです。

この猫のいる空間は、時間が止まってしまっているような気がして…
もう7月だというのに、それで不安な気持ちを覚えたりもしますね。
でも、微笑んでもらえるなら、それもまた良いですねvv
猫がんばります!
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junsora(望光憂輔)

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おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


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今日も散らばって行こう
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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