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あえて雨の中を

花屋の軒下で、おばあさんは雨が下火になるのを待ち続けていた。
けれども、雨は呪いのかかったワインのように永遠に凄みをましていくばかりだった。
おばあさんは、意を決したかのように傘を開くと忍者足で雨が遊ぶ歩道を歩き出した。
傘の中で咲き乱れる花たちも、今は雨の中に寂しく萎れて見えていた。
猫は、窓の外を見ながら、心配そうにおばあさんの帰りを待ちわびていた。
その横顔は、雨粒よりも小さく見えた。


わざわざ雨の中を
出かけていく

新しい傘を開くために
トコトコとテクテクと

ここから一歩抜け出すために
この激しい雨の中を
私は歩いてる

ざわざわ雨の中を
見つめていく

新しいあなたに逢うために
ノコノコとトボトボと

ここより一歩踏み出すために
この狂おしい雨の中を
私は歩いてる

すべてをかき消す雨粒の中で

あなたは
ずっと下を向いたまま
消えることなく

雨に生きながら
何かを待っている

ずぶ濡れでもかまわない
厚みを増していく雲の下で
あなたにもう一度逢うために

あえてこの打ちつける雨の中を
私はもう歩き出した

歩道を流れつたう雨と共に
伝わる気持ちも流れ行き

だから打ちつける雨の中を
あえて激しい雨の中を

見えなくてもかまわない
傘から零れ落ちる雨と共に
私も零れそうになりながら

あえて狂おしい雨の中を
あえて打ちつける雨の中を
私はもう歩き出した

トコトコとノコノコと
この激しい雨の中を

あえて打ちつける雨の中を
私はもう歩き出した
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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

Comment

激しく打ち付ける雨と、こぼれ落ちそうな感情。あえて雨の中を踏み出して歩き出す強固な想いが、歩いています。これは。雨の路面を強く踏みしめながら歩いているリズムが伝わってきます。
傘をさして、忍者足のおばあさんを想像するだけで楽しいです。

ありがとうございます

あおはさん、コメントありがとうございます。

雨の中をひたすら歩くという、シンプルな唄です。
でも、こういうのが結構好きですvv
雨のリズムを感じてもらってうれしいです。
雨の中を歩くのも情緒があって良いのですが、あまりに強すぎる雨は何か意志を帯びているようで恐ろしくも感じられます。

そして、おばあさんは、雨の日でも勇敢です!


あえて進もう
この夜の雨は
もう待っていられない

そして猫が
この雨の向こうで
今も待っているから

小さな君に
逢えてこそ
この雨も
夢の帰り道

止まることなく歩き続けてください。
ゴールにたどり着くまで。

ノヴェリンさんへ

ノヴェリンさん、コメントありがとうございます。

勿論、私は歩くことが大好きですよ!
たくさん、ゴールを決められてみんな沈んでいるかもしれませんが(笑…)
でも、気持ちを切り換えて…
歩みを止めるわけにはいかないですからvv


たどり着くまで歩いていこう
どんな雨も言い訳にならない

微かな光をたどって歩こう
いつかはきっと祝福の雨になる

ゴールは遠い
だけどなくなることもない
だからゆっくり歩いていこう
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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