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奇跡

同じ場所を何度探してみたところで、結局同じことではないだろうか?
「確かにここにあったはずなんだけどね…」
昨日までは…
蜂蜜を探す熊のように、引き出しを何度も開け閉めして、おばあさんは、猫に意見を聞くように視線を投げかけた。
けれども、猫はテーブルの上に寝そべったまま、身じろぎ一つしなかった。
猫は、自分の居場所があったことで、今は満足しているようだった。
散らかった引き出しの方を、無関心に見つめていた。
その横顔は、無関心を装った侍のようだった。


私は土だった
今はなぜか
いるはずのない場所に
来ている
ここは無だった
今はなぜか
あるはずのないものに
出会えている
これが自然の成り行きか
これが単なる日常か

私は泡だった
今はなぜか
いるはずのない場所に
こうしてやって来た
元は無だった
今はなぜか
あるはずのないものたちに
こうしてめぐり合っている
これが自然のからくりか
これが単なる繰り返し

私は何かだった
そして今は

理由を探すには
あまりに複雑で
理由を決めるには
あまりに単純で

いるはずのない場所の中
あるはずのないものたちが
たしかに私を満たしている
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テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

Comment

あるはずのもの、あるはずのないもの、いるはずのない場所・・・まさに奇跡ですよね。おばあさんがあるはずのものを探すところからはじまって、無関心を装った侍ときて、侍から士に続いていく・・・いつも思うけど素晴らしいです。

ありがとうございます

あおはさん、コメントありがとうございます。

ロスタイムに入った得点はなぜ奇跡なのでしょう? 最初の1分ではなくて…
もう誰もが半分あきらめてしまっていたからでしょうか…
昔マンガで「奇跡ってのはよく起こるもんだぜ!」という台詞があったような(笑…)

「いるはずのない場所にいる感覚」を時々感じることがあります。
その感覚はとても好きな感覚の一つです。

 決断しなければ
 選択しなければ
 ここにはいなかった
 偶然も重なって
 今はここに
 とにかくやってきた
 今はこうして
 私はここにいる


素晴らしいと言ってもらえると、もったいないけれど、うれしいですvv
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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

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「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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