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ひび割れて

白く丸い形をした物体は、鍋のもたらした高揚の中で最後の時間を過ごしていた。
おばあさんは、ストップウォッチを持つこともなく、のんびりと椅子に腰掛けてテーブルに肘をついている。
夕焼けの消えていく夕暮れの中で、おばあさんの食卓を飾るのはどんな卵料理だろうか?
そして、そんな料理にふさわしいワインとはどんなものだろう…
けれども、驚いたことにおばあさんの家には一本のワインもなかった。
その時、おばあさんに7分の経過を知らせるように、猫が鳴き声をあげた。
その横顔は、ロスタイムを失ったタイムキーパーのようだった。


古い酒をあおるように
小さなたまごが揺れている
ほんのわずかの間違いで
ひび割れて
眺めていても戻らない
ひび割れながら回り続ける

古い坂を下るように
小さなたまごが落ちてくる
ほんのかすかな手違いで
ひび割れて
忘れていても戻らない
ひび割れながら回り続ける

黒い雲に覆われて
ひびは日に日に大きくなって
恐竜たちが滅んだように
ひび割れながら
日々揺れながら
回り続ける

白い塩をかけても
優しい言葉をかけても
君だけ主役の世界は
もう元には戻らない

みんながみんな
日々揺れながら回り続ける

厚い空に覆われて
ひびは日増しに大きくなって
小さな大陸が沈んだように
ひび割れながら
日々揺れながら
私もその中で
回り続ける
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Comment

ロスタイムを失ったタイムキーパーの顔ってどんなだろう・・。焦ってるのかな。どんな現状にも終わりを告げなくてはならない渋面かな・・。

日々、ひび、日々、ひびとリズムが素敵です。
わずかなことから、手違いから生じたひびが大きくなっていくのに、どうしようも無いままにあたふたしながらも日々を重ねるしかない私を含めた全ての人間。
考えると深くてうなってしまいます。焦りのような悲しみが心に残りました。

ありがとうございます

あおはさん、コメントありがとうございます。
横顔に気を留めてもらって、うれしいですねv
どんなんでしょうね? 猫の横顔についてはいつも私もわからぬままです。
失ったという感じから、少なくともあまり陽気ではないのでしょうね…。

私も、ひび割れ日々揺れのリズム感がこの詩の一番好きなところです。
素敵に感じてもらえてうれしいですv
そして、人間的かなしみを心に残してもらってありがとうございますvv
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junsora(望光憂輔)

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おかしな比喩を探し求める内に
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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