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見えないリンク

おばあさんの創る影絵は、魔術師の創り出す影絵ほどにちっぽけで美しかった。
おばあさんは、両手を奇妙な形に広げると影は雛を創り出した。雛はゆっくりと現れた。
次におばあさんは、キタキツネを創った。はるばる北の方からやってきたため、暑そうにしていた。
続いて赤とんぼが現れた。夏の夕焼けよりも赤く、おばあさんの瞳の奥までも赤く染めた。
一匹狼が威厳と共に現れた。右手と左手でそれは結局は二匹だった。
おばあさんが、両手を縦に並べ高く掲げると、偉い人が現れた。
いかにもえらそうにふんぞり返っている。
そこに最後の侍が現れた。もはや刀を持っていなかったが、侍はあくまで凛としていた。
猫は、そのすべてを目を伏せたまま見ていた。
あたかもピアノを聴いているようだった。
おばあさんは、最後に少し寂しげな表情を浮かべながら、影で不幸せの形を描いた。
そして、手を閉じた時、影が割れる音が冷たく部屋に反響した。
その時、猫は心地良さそうにヒゲをなでた。
その横顔は、光でできた猫のようだった。

自然に広がる
森のように
木は育ち
春めいて
見えないリンクで
つながってる
確かな囲いはないけれど
確かな約束はないけれど
もっと不確かな儚さで
確かにつながっている
光と影の向こう側
見えない輪が
包み込む

自然に広がる
村のように
行き交って
持ち合って
見えないリンクで
つながってる
確かな言葉はないけれど
確かな法則はないけれど
もっと確かな確かさで
ここからつながっている
光と影の逃避行
消えない雨が
流れ込む

見えない橋が遠くから
失われた星空に
浮かぶように
誰かが星の速さで
駆けてくる
みえる形はないけれど
手にする形はないけれど
想いの欠片が希望のように
きっと大きな確かさで
ここから
つながっている
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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

猫と婆とそんな横顔はリンクフリー
「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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