酒の魚
2006-03-06 Mon 11:57
魔術師は冬の夜の海辺の向こうからやっきた。
ほんの少しの傾斜の坂の途中で立ち止まり、
夜の静寂の中の魚のほんのわずかの疑問符のため息に、耳を澄ましながら。
そんな奇妙な魔術師が、人類の運命を託すように、あるいは白く温かいご飯にふりかけをかけるように、魚のため息に魔法をかぶせると、
水を得た魚が酒を飲みすぎた魚に変わった。
けれども、それ以上のことは何も起きなかった。
「人生に酔うほど簡単じゃないんだ」
千鳥足で泳ぐ魚の後を、魔術師は千鳥ヒレで泳ぐように歩いていった。


ドレミファの空を 越え
遺憾の意の 散らばった
でこぼこ道を 歩いてく
すっかり細くなった 長い道
遺憾の意を 蹴飛ばして
分岐点で 栗ひろい
もうどっちでもいいんだし
でこぼこの ソラシド道を
みかんのみ 蹴飛ばして
昨日の日曜 探して歩く

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