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哀しみの言葉

田舎の王様に追われるようにして、猫はふらふらと歩いてきた。
傘たての中で朝を迎える子猫のように、縮こまり、言葉のスパイクで踏みつけられたように、首筋は赤く滲んでいる。
まだとても、とても小さい子猫だったのに、全身がずぶ濡れだった。
そして、その心の中までも涙で濡れているように見えた。
心の中に涙を抱え込むことでしか、猫は悲しめないのだ。
瞳の中では、スパイ衛星のように疑問の影が揺らめいていて、
その横顔は、心の冷蔵庫が9℃下がったように冷たかった。


あなたは とてもかわいそう
力でしか
何かを 表現できないんだ
何かを 壊すことでしか
自分を 証明できないんだ
あなたは とてもかわいそう
けれども 同情はしないんだ
もっと大きな 哀しみが
世界に 溢れているのだから

あなたは とてもかわいそう
力でしか
何も 解決できないんだ
人を 傷つけることでしか
あなたは 自分を守れないんだ

あなたは とても
とても かわいそう
産声を あげた時
あなたの心は
とても 真っ白だったのに
あの空を 見てた時
あなたの目は
とても 澄んでいて
世界を 救えるほどに
きれいだったのに
そんな風になるだなんて

ねえ 神様
言葉は
何のために
あるのかな
私は 同情はしないんだ
もっと 大きな哀しみが
世界に 溢れているのだから
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Comment

同情しないんだ・・と言えば言うほどなんだか哀しい。
あなたが哀しい。もっと大きな哀しみがあるのも哀しい。憂う私も哀しい。
・・・・そして、読んだ私も哀しくなりました。
哀しみが 冷凍庫-30度で 横顔痣だらけで、いつか口笛で聞いた曲をうたってる。・・・・みたいな感じ(変?大汗)

あおはさん、コメントありがとうございます。
そして、たくさんの哀しみを…。
猫は、痛みを無視するように、むしろ自分を傷つけた者へ哀れみを向けようとしますが、最終的にはそれもやめ、もっと大きな世界の哀しみに対して目を向けようとします。
猫らしい複雑な哀しみの形かもしれません ^^
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junsora(望光憂輔)

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おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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