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2008-02-27 Wed 21:25
公園のすぐ前にいつもなら、それはある。
いつもというのはどれくらいのいつもだろうか、いつもといってもそのいつもの幅はこれくらいか、あれくらいか。 バイトの帰り道、いつもこれくらいの時間ならお婆さんが店を出しているのだが。 けれどもそれは、いつも出ているからといっていつも出ているというわけでもなくいつになく出ていないことも時たまあった。 その度、渉は少し心配な気持ちになる。 お婆さんの身に、何かよくないことが起こってもう戻ってこないのかもしれない、などと。 ネガティブな空想なら、いつも得意だった。 お婆さんのことを自分はよくは知らないのだから、自分の知らない場所でどんなことが起こっていようとも知る術もないのだし、その権利もなかった。 それでもつい、気になってしまうのだ。 ほんの少しの接点ではあるけれど、触れ合ってしまったから。 何の前触れもなく あんたは時々 消えてしまう 何の前兆もなく なんでか時々 消えてしまう 周りを 散々心配させて ふらっと帰ってきて いつも あんたに戻ってる 元気にしてたのに あんたは時々 消えてしまう 陽気にしてたのに なんでか時々 消えてしまう みんなを またかと心配させて ふらっと帰ってきて いつも あんたに戻ってる なんでなんだい いつもいつも まるで心配させるように あんたは時々 消えてしまう 何の前触れもなく (誰?) いつものお婆さんの店には、知らないおじさんが店を出していた。 たこ焼きではなく、メロンパンが並んでいる。 焼き立てなのだろうか、緑色の甘い香りが風にのって漂い流れては道行く人にくっついていく。 甘い誘惑を断ち切って、歩いた。 そうして数十メートル行ったところで、お婆さんを見た。 いつもと少し違う場所で、店を出していた。 渉は、いつもの風景を見つけて少し安心した。 その横顔は、ホームポジションを見つけた猫のようだった。 お婆さんの横では、猫が暖を取りながら丸まっていた。 10個ください。 少し、声が弾んでしまった。 帰り道、また雪が降り始めた。 渉の足の前で、落ちてはすぐに消える、 雪だった。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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