|
2007-12-09 Sun 23:56
ダンス・マジックの会がストリートをステージに変える。
クルクルと回ったかと思うと、ふわふわと宙に浮いたりする。 ロボットのように角ばったり、頭を取り外したりして人々を驚かせた。 次に出てきた若手課長の会は、対照的に静かだった。 正確な間隔を保ったまま、一列になって通り過ぎた。 続いて、ゾロゾロと青い軍団が歩く。 服も青い。帽子も青い。靴も青い。 すべてが青いというだけの集団が歩いている。 今にも、ひと雨きそうな曇り空の下で秋のパレードが続く。 「何者なのだろう?」 猫は、謎の一団に好奇の眼差しを送りながら、沿道を歩いていた。 海を愛する青年たちか、青空を信仰する人々の集まりか……。 あるいは……。 謎の途中で、ポツリポツリと落ちてきた。 ポツンとひとり 僕だけのパレード 仲間はいない 演じることは 何もない たったひとりの 寂しいパレード 大勢の人が見てる ポツリとひとつ 雨粒落ちて ポツリとひとつ 次々落ちて てくてく黒く 跡をつけてく たったひとりの 寂しいパレード 知らない人が見てる ポツンとひとり 残ったひとり 誰も続かない 虹のパレード 青の一団が通り過ぎると、続いてお婆さんが現れた。 けれども、今までの団体と違ってお婆さんは一人だった。 どうして、お婆さんが参加しているのだろう? お婆さんの仲間たちは、どこに行ってしまったのだろう? 代わりに、自分が飛び込んでしまおうか……。 猫の心配をよそに、お婆さんは前だけを見て歩いていた。 降り出した雨を気にする様子も、周囲の視線を気にかける素振りも一切見せなかった。 猫は、そんなお婆さんの姿勢を静かに見守ることに決めた。 その横顔は、祝福を禁じられたパレードのように寂しさに満ちていた。 雨が上がる頃、ダンス・マジックの会は空の彼方へ消えてしまった。 課長の会は、人々の記憶から消えてしまっていた。 そして、青い軍団は、白い軍団へ姿を変え謎を深めていた。 くっきりと浮かび上がった虹の上を、お婆さんは歩き始めた。 それは、天国へと続いているように美しかった。 追いかけていこうか、 猫は、少し迷っていた。 |
|
| 猫と婆とそんな横顔 |
|
メールフォーム |
|
|
Powered By FC2 |
|
|
フリー素材のある場所 |
|
・天の欠片
|
RSSフィード |
|
|
フリースペース |
|
フリー百科事典
|
ブログ内検索 |
|
|




