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2007-07-25 Wed 12:06
レコード針が星座の間を寄り道しているように、
ラジオからノイズが出入りしていた。 アンテナを折り曲げてしまったのは、猫だった。 それ以来、FMの受信がうまくいかず、 お婆さんはまた、ラジオに耳を近づけて、 クルクルとダイヤルに話しかけている。 素顔を見せない きみの歌声が 僕を素直にさせる きみの歌を追いかけて 僕はいつも 旅に出た 味方のいない時でさえ きみの声は 背中を押してくれる きみは僕の 星だった 素顔を見せない きみの歌声が 僕を素顔に戻す きみの歌と連れ添って 僕はいつも 街に出た 明日の見えない夜でさえ きみの言葉は 明かりをくれる きみは僕の 星だった 素顔を見せないきみは いつも遠くから いつも近くで 歌ってくれた 僕の世界を ひとつの声で 変えてくれた 愛しいきみを 永遠に歌う 行ったりきたりしながら、自分の居場所を探すように。 けれども、それは簡単には見つからない。 忘れられない曲が流れてきているというのに……。 お婆さんは、雨音交じりのまま音量を上げると、 天界で眠っていた猫がびっくりして降ってきた。 勢い倒れたラジオを起こすと、不思議と音はクリアになった。 猫も、一緒に耳を傾ける。 その横顔は、遠い人に感謝を捧げる猫のように静かだった。 彼女の声に、お婆さんは目を閉じて聴き入っている。 夜深く、ラジオの向こうから、『永遠』が流れていた。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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