幸せのパズル
2007-07-14 Sat 11:02
降りしきる星の中を、トボトボと、
猫はお婆さんの元へ帰って来た。
お婆さんの体は、すっかり星に埋まっていた。
つい数時間前、猫が砂に埋まっていたのと同じように……。

「星のお婆様!」

猫が叫んでも、お婆さんは動かない。
お姫様気分で夢を見ているのだ。



飴細工のパズル

数え切れないピース

積み上げられている

一つ一つが

小さな幸せのかけら

口に入れれば

優しく溶けて包む

食べたピースは

二度と戻らないけど


大きな幸せ

描きあげるか

小さな幸せ

味わっていくか


飴細工のパズル

数え切れないピース

並べて揃えていく

一つ一つが

ささやかな幸せのかたち

指に触れれば

優しく音が響く

食べてごらんと

軽やかに歌いながら


大きな幸せ

創りあげていくか

小さな幸せ

使っていくか




ちょうどお腹が空いてた。
猫は、星の尖った部分に手を掛けて、むしゃむしゃと食べ始めた。
食べるスピードなら、誰にも負けたことがない。
星が降り積もるよりも速く、口を動かした。
一つ一つ、数え切れない星のピース を食べて早くお婆さんを助け出そうと頑張った。

その横顔は、眠れる婆を救おうとする星の王子のようだった。

ようやく、飴細工のパズルが甘く溶けて、猫の指がお姫様の体に当たる。
お婆さんは、魔法が解けたようにお婆さんに返った。
私も一つ、と言って星を食べると、
幸せの香りが、夜風に流れた。





                文…junsora
                詩…あーるぐれい


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