心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
眠れない猫
2007-04-12 Thu 20:32
羊さんがおひとりさま、
羊さんがおふたりさま……
羊を数え始めた猫は、自分が最初かも知れない。
猫は、大勢の猫が考えるのと同じように思った。
お婆さんは、ソファーの上で気持ちよく眠っているけれど、
猫は、ベッドの上でなぜか眠れぬ午後を過ごしている。




羊がひとり
羊がひとりを呼んで
羊がふさふさ現れる

仲間の羊固まって
まとまりとなってやってくる

多勢に無勢がきみの孤独

羊がひとり
羊がひとりを連れて
羊がわなわな現れる

若葉の羊まとまって
綿菓子となってやってくる

10対0がきみの敗北

みんながひとり
みんながひとりを生んで
みんなはみんな笑ってる

むくむく広がる羊の陽だまり

羊はみんな
みんなは羊

きみがひとり

眠れなくなる





羊が100人の村を作り始めた頃、
猫はようやく、うとうとし始めた。
けれども、ソファーの上から羊が起き上がって我に返る。
お婆さんが羊に食べられてしまった!
猫は跳び上がって驚いた。

その横顔は、羊の方程式を解く数学者のように真っ白だった。

とりあえず、猫は逃げることにした。





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