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2007-04-03 Tue 18:11
季節が変わる頃になると、部屋を片付ける。
ついでに自分のこころの中も……。 それはお婆さんのモットーのようなものだった。 季節の到来は鼻先でわかる。 けれども、最近はそれも少し怪しくなった。 引き出しの奥から出てくる宝物を、猫も物色している。 ついでの時を 見つけに 出かけよう ついでの時は どこに隠れているか わからないから こちらから 出向いていこう ついでの時と 余裕を見せすぎないで 今から出かけていこう ついでの時を 迎えに 旅に出よう ついでの時は 遠慮深く 秘められているから 自分で 切り開いていこう ついでの時を 信頼することなく わざわざ呼びに行こう ついについに 訪れるその時を ただ 待ってなんか いられない ついでの時を つかまえに 出かけよう ついでに隠された 真実を見つけに 今から行こう 古びた箱の中から、懐かしそうに取り出した。 お婆さんの歌を吹き込んだ、デモテープだった。 どこかに応募する予定もあっただろうか……。 お婆さんは、もうすっかり忘れていた。 けれども、歌い始めた。 それは春の歌だった。 猫は、流れる旋律の中でゆっくりと眠りに落ちた。 その横顔は、ついでに訪れた夢のように屈託がなかった。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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