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2007-03-31 Sat 09:14
さくらくる
くらくらしたら らくだくる ざわざわさわぐ かわにゆられて お婆さんは、また歌い始めた。 二人用のレジャーシートも、猫とお婆さんには十分に広い。 猫は甘ったるい酒に舌をつけた。 素面では聴けない歌もあると知っているのだ。 さくら さくら みんな さくら 呼ばれてただやってきた 一時だけのキャストなの 種を蒔いたら集まった 筋書き通り上っていた さくら さくら みんな さくら 花がなくなりゃ 散っていくよ さくら さくら みんな さくら 意志も薄くやってきた 見かけだけのゲストなの 種を求めて集まった 筋書き見えて下りていった さくら さくら みんな さくら 風が変われば 転げていくよ さくら さくら みんな さくら いつの間にか 同じ色 さくら さくら さくら あなたも一緒に 染まろうよ お婆さんも猫も、桜色に染まっていた。 朝一番にやってきた二人だったが、気がつけば周りに随分と人の影が増えている。 彼らはみんな良心的な桜泥棒なのだ。 桜色の猫の思考は、やはり甘くなる。 お婆さんの歌に対しても……。 叫ぼうか 九九をわざわざ 楽だから ざんげは届く 仮初めの朝 宙を舞った桜が、一瞬そのままとどまった。 猫はその枚数を数えようと、目を光らせた。 その横顔は、傾きかけた桜坂に立ち止まった一句のようだった。 歌心などは特にくっついていなかったけれど、 春は、儚く甘やかな匂いがした。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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