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2007-01-05 Fri 17:11
人形の名前はフランソワと言って、
日本生まれ日本育ちの一人の日本人によって作られた、 一体の藁人形だった。 この町にも、昔は人々が暮らしていたのだけれど、 今では、人形だけが暮らす平和で良い町になってしまった…… フランソワは人形の町の寂しい歴史を、正しい日本語で、 お婆さんたちに、話して聞かせてくれたのだ。 ふふふふふ フランス人形ふらついて 藁人形 笑ってる ふふふふふ ふふふふふ フランス人形福笑い 藁人形 吹き出した ふふふふふ ふふふふふ フランス人形フライング 藁人形 笑い飛んだ ふふふふふ ふふふふふ フランス人形福引ひいた 藁人形 引き笑い ふふふふふ ふふふふふ フランス人形腐乱して 藁人形 泣き笑い ふふふふふ ふふふふふ…… ふふふふふ…… フランソワは悲しそうに笑いながら、 けれども急に目つきが険しくなった。 「おまえたちのせいだ!」 藁人形はメラメラと燃えながら、お婆さんに襲い掛かった。 猫は藁人形につばを吐きつけながら、鋭い爪で足払いを浴びせた。 人形は大の字になって倒れたまま、メラメラ燃えていた。 お婆さんに抱きかかえられ、人形の町を後にしながら、 猫は頻りに振り返った。 その横顔は、暴かれたカラクリ人形のように憂いに満ちていた。 猫は時々、フランソワのことを思い出して手を合わせる。 二人の旅は続いた。 再びお婆さんと、水入らずで…… |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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