心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
新しい旅『落葉のダンス』
2006-12-28 Thu 23:29
このバス停は幻なのか……
いつまで待ってもバスは来ない。
ただ待っている間に時は過ぎ、猫とおばあさんは歳をとっていく。

どこからともなく白い風が吹きつけて、落葉を寄せ集めた。
それは、意思を持ったまとまりとして渦巻きながらダンスチームを作ると、
誰かが置忘れたダイニングチェアーの上で猫を被っていた生き物も、
軽やかな身のこなしで飛び下り、その輪に加わった。
猫は、風の中で回転を始めた。





踊れ踊れ
落葉の中に
広がって

冬の視線を浴びながら
陽気なステップ踏んづけて

踊れ踊れ
落葉を散らし
行き場をなくし

息あがる激しさで
悪意と失笑を振り払い

踊れ踊れ
落葉のように
雪のように

いまきみも

真っ白で
待ちきれぬものを
忘れるように

踊れ踊れ
落葉を舞わせ
涙を降らせ

踊れ踊れ
落葉となって
緩やかに


戻らないもののため

この瞬間に想いを乗せて


踊れ踊れ


もう一度

落葉のダンスを






いつしかおばあさんも、猫と一緒なって踊っていた。
まるでその空間だけ、地球上の問題から浮き上がって見える。
踊っている間に、おばあさんは見る見る若返っていくようだ。
道行く人の寒い視線を浴びて、おばあさんは10歳若返り、
猫はその10倍目を丸くした。
その横顔は、落ち続ける落ち葉のように記憶を留めている。
けれども、ようやく、
バスが訪れた。









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「年越詩祭」
2006-12-28 Thu 20:36
「ねえねえ、お婆さん……」
「もうすぐ年越詩祭が始まるみたいだよ」

「わたしは忙しいからねえ」

「ねえねえ、お婆さん……」
「お婆さんは、年中暇じゃないか!」

「華やいだ場所は苦手でねえ」

「ねえねえ、お婆さん……」
「僕がいるから大丈夫だよ!」

「何の話だったかねえ」

「ねえねえ、お婆さん……」
「もうすぐ年越詩祭が始まるみたいだよ」





「年越詩祭」
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