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2006-12-03 Sun 11:42
冬を急ぐように、青い闇の中を雲が過ぎた。
「どこに行ったのかね……」 いつもの場所に猫はいなかった。 ベッドの下を、本棚の上を、月の光の中を…… 猫のいそうな色んな場所。 おばあさんは探してみたけど、見つからなかった。 けれども、月が雲の中に逃げ込んだ。 日が暮れる頃 僕らはまだまだ 隠れてる なるべく遠くまで 離れてひっそり 隠れ込んだ 小さな勇気を 少しだけ振り絞って 高いところにも登ってみた きみに見つかり 僕は泳いだ お日様が隠れても 僕らはまだまだ 隠れてる なるべく遠くまで 離れる振りして こっそり隠れた 小さな体を より小さく折り畳んで 狭い隙間にも入り込んだ きみに呼ばれて 僕は唇を噛んだ お日様はぐるぐる回って みんなもみるみる 大きくなって 隠れる場所も 広く遠く 哀しいほど自由な バラバラの銀河に 流れるように散った 見え隠れする遠い向日葵の下で 張り合いのない隠れ家の中で 変わり果てた姿を きみは見つけてはくれないね もう呼んではくれないね だからそう 僕はそろそろ 出て行こうと思うんだ 自分から見つけるために 猫のことを気にかけながら、南瓜スープを火にかけた。 テーブルの上のみかんを、ひとりむき始めた。 その内、どこかからか出てくるだろう。 秋を振り返るように、雲の中から月が顔を出した。 けれども、猫はまだ出てこなかった。 その横顔は、おばあさんには見えなかった。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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