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2006-11-25 Sat 11:20
風が何か言いたげに吹きつけた。
まだ5時だというのに、夕焼けはすっかり薄れてしまっていた。 家路を急ぐ人々に混じって、猫も歩いていた。 いたる所で、別れの挨拶を交わす声がする。 「さよなら。また明日」 今日のすべてが、空へ吸い込まれていくようだった。 夕暮れ時に吹く風は いつもちょっと冷たくて それはなぜと 不思議がるうちに すぐに夜が押し寄せて 想いを塗り潰してしまう 去りゆくきみを見送る道は いつも決まって同じように 冷たい風が吹き抜ける 夕暮れ時に見る空は いつも少し消えそうで それがなぜか 問いかけるうちに すぐに時が押し寄せて 想いを連れ去ってしまう 消えゆくきみを見送る空は いつも決まって同じように 赤い温もりを奪っていく 繰り返される冷たさは 白い風を運ぶ 未知なる誕生のために 赤から黒へと 時を急がせる 止められない夕暮れは いつも冷たく赤く 奪っていく ひとつの終わりに とどまれない想いを さよならと夕焼けと猫の唄を吸い込んで、空は白くなった。 白さの中に最初に描かれた丸い形を、猫は見た。 それは月だった。 もうすぐ夜の青さの中で輝きを増すだろう。 風が昼間の方向から猫を追いかけるように吹きつけると、猫はもう一度オレンジの光を思い出した。 その横顔は、月の見つめる風の中で薄っすらと白く見えた。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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