心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
甘い選択
2006-11-01 Wed 17:44
おばあさんの財布の中には、500円しかなかった。
うまい棒に金平糖に、チョトスにショパンに、チェルシーにミルキーに。
猫ビスケットにポテルカに……
数ある有力な菓子の中から、おやつを選んでいる。
おばあさんは、かなり真剣な顔つきだ。

「そんなに真剣になることがあるだろうか…」
猫はシルバーカーの中から、おばあさんの顔を見て首をかしげた。



限られたものの中で
迷いながら選んだ

大きいのを1つにするか
小さいのを3つにするか

甘いものばかりでは飽きるし
すぐ溶けてしまうものはダメだし

必ず心残りはあるけれど
いまの自分にベストのものを

限られたものの中で
選ぶから迷った

大好きなものを1つにするか
2番目に好きなものを集めるか

正解なんてないのだし
いまの自分が好きなように

失敗することはあるけれど
悩んだ挙句決めたものだから

限られた世界で
選んだものは宝物

足りないものは人にもらおう
素敵なものは人にもあげよう

望みすぎたら削り取り
行き詰ったらやり直し

あれもいいなこれもいいな
あれこれ考え時間がすぎる

いまの自分に必要な
自分だけの組み合わせ

人にはわからない
自分だけのお気に入り





買い物カゴの中は出たり入ったり、厳しい選択が続けられた。
おばあさんは猫ビスケットを売り場に戻すと、代わりにチョコビスケットを手にした。
突然、猫の顔つきが変わった。
その横顔は、鬼せんべいのように赤く燃え始めていた。






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