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2006-10-26 Thu 20:46
クルクルとおばあさんが指を回す。
クルクルと、とんぼが首を回して「何か用か」ときいた。 おばあさんが手を伸ばすと、「そういうことか」ととんぼが飛び立った。 一瞬遅れて猫が後を追いかける。 けれどもあれは幻の12色とんぼ… 夜の中でもダンプカーのように点滅する。 速い 速い まるで速い 虫の一生よりも速い… 小さな秋の中に小さな虫は 小さな疑問でないていた どう思っているんだろう 虫のようにあしらって 虫のように扱うなんて 小さい奴だな 僕らは 葉の一枚一枚 夜露の一粒一粒を 大きく受け止めるよ 僕らが虫だからといって 虫のように思うなんて 虫のように追い払い 虫のように踏みつけて 小さいからといって 小さく扱うなんてひどい奴だな 小雨の一滴が ささやかなそよ風が 僕らを揺らすよ 小さいからといって 小さく思うなんて小さい奴だな 僕らの王国を知らないくせに 大きいものしか相手にしないなんて 人間が小さいな 目立つものしかみえないなんて 人の方が小さいな 人の浮かばない空間 小さなベルベットの翼 夜風に乗って光る瞳 すぐに消えてしまうから 器用な手の中に 閉じ込めて慰めようなんて 余計なお世話だな どこまでも どこまでも 空の模様が同じに見えるから 花の横顔が同じに見えるから 飛んでいく唄は見失ってしまうよ そうだ 見つけたかったら 小さくなってごらんよ 「おばあさん、ダメだったよ…」 打ちのめされ、消沈して猫が帰ってきた。 その横顔は、秋の虫のひそひそ話ほどに萎んでいた。 おばあさんは、両手をぴしゃりと音を立てて合わせた。 蚊と呼ばれた生き物が地に落ちた。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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