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2006-10-05 Thu 23:52
とうとうおばあさんは寝たきりになってしまった。
あんなに元気だったおばあさんが… 一緒に奇跡の水を飲んで、一緒にブロッコリーの木の下で一番星をみて… 耳は随分遠くなっていたけれど、元気な声でうたっていたのに。 猫は枕元に座っておばあさんを見つめていた。 額に手を当ててみると少し熱かった。 もう丸一日おばあさんは動かなかった。 それでもきみに触れている いつかきみの指先が動くように 僕の目にきみをとかす力はない それでもきみを見つめている いつかきみの目が開くように 僕の声にきみを動かす力はない それでもきみに話しかけている いつかきみの唇が動くように 僕には何の力もない 治すことも 癒すことも 何もできないけれど それでもきみのそばで ずっときみを見守っている いつかきみが言葉を思い出すように いつかきみが笑顔を取り戻すように そんな日を待ちながら 届いているかわからないけれど それでもきみに語りかけている いつかきみが僕を思い出すように いつかきみが自分を取り戻すように 魔法を使えない無力な僕は それでも僅かな希望を胸に 微かに息をもらすきみに触れながら ただ静かに時を過ごしている 今日もずっと きみと一緒に 「ふあー、だいぶましになったよ」 突然、おばあさんがベッドから起き上がった。 「季節の変わり目はいつも風邪をひいてしまうね…」 案外大丈夫そうなおばあさんを見て、猫はクルクルと宙を一回転した。 猫も少し元気になったように。 その横顔は、季節の変わり目に吹くそよ風のように優しかった。 |
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| 猫と婆とそんな横顔 |
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