一本木への手紙
2006-09-23 Sat 16:13
「ちょっとここで一休みしようかね…」
新種の植物を収めたカメラを鞄の中にしまい込むと、おばあさんは大木の下に腰を下ろした。
こんな陽射の強い日は、やっぱり木陰で休むのが一番だ。
木の匂いが猫の鼻先をくすぐって、思わずあくびをついた。
この木は何の気だったかな…?
猫が見上げるはるか上に、生い茂った野菜がそよいでいるのが見える。
猫とおばあさんにはまことに喜ばしい風が吹いていた。
「きっとこれはブロッコリーの木だな…」
猫は納得しながら、おばあさんの入れてくれた水をおいしそうになめた。
その横顔は、年輪を重ねた木そのもののように落ち着いて見えた。



いつも私は風の中で恐れ笑う
いつも凛としているあなたをみて
私はいいなと思うのです

あなたはいつも一本木で
あなたはいつも悠然と構え
何事にも動じないのですね

私はあなたの足下で
雨のように照りつける陽射から
身を潜めて夕暮れを待ちます

いつも浮いて沈んで戸惑って
いつも凛としているあなたをみて
私はいいなと思うのです

あなたはいつも一本気で
あなたはいつも真っ直ぐで
何事からも逃げないのですね

私はあなたに身を寄せて
太陽のように降り注ぐ雨粒から
逃れながら希望を想います

空は色を変え雲は形を変えて
私の前を過ぎ去るものばかり

けれどあなたは変わらない
たったひとりで向合っている


いつも私は想うのです


ただあなたを見上げながら

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