自分探しの迷子
2006-08-18 Fri 20:46
「ここはどこ? 私は猫…」
小さな旅は混迷の真っ只中にあった。
あの雨音が懐かしく感じられるほど、今は遠くに来てしまった。
夜が訪れると共に猫も人間の近くに下りてきた。
たくさんの人間たちが、道を交差している。
ある者は買い物袋を抱えて、ある者はアイスクリームを見せびらかしながら…
自分を知っている者は誰もいなかった。
「ここはどこ? 私は猫?」
どこからも返事はこなかった。
けれども、不吉な予感が猫を振り向かせた。
その横顔は、お化けを見た時の猫のように固まっていた。
何かが猫を追ってきた。影のようなスピードだった。



どこまできたのかわからない
誰が敵だかわからない
どこに行ってもわからない

いつも手の上にあるものは
落ちてみないとわからない

変わらない

どこまで行っても変わらない
私が誰かは変わらない
私の想いは変わらない

わからない

どこで出会うかわからない
誰が味方かわからない
私が誰だかわからない

いつも手の中にあるものは
こぼれてみないとわからない

戻らない

ここがどこでも戻らない
お腹が空いても戻らない
傷つくまでは戻らない

わからない

たどった道さえわからない
どこまで行くかわからない
誰が誰だかわからない

いつも手に入れているものは
離れてみないとわからない

わからない

どこまで行ってもわからない
いつになるのかわからない
みんなみんなわからない


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