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眠れぬ夜を数えて

眠れない夜だった。
眠れずに長い夜。
夏の夜がこれほど長いとは…
いくつになっても眠れない夜はあるものだ。
それは猫のせいか、暑さのせいか…
猫のいないベッドは広々として海の真ん中のようだった。
けれども、さわやかな潮風の代わりに線香の香りが立ち込めている。
「猫が一匹…」
おばあさんは猫を一匹、数え始めて一匹でやめた。
それで十分。もうそれ以上は抱えきれない。
たとえ夢の中でも。
「お婆がひとり…」
おばあさんは自分を数えながらようやく夢に落ちていった。
その横顔は、もうすっかり夢世界の住人に似て穏やかだった。



寝苦しい夜に眠ることは
とても苦しい

窓を開けて迎えられるのは
さわやかな風ではない

逃げようか
秘境の地へ
張り付いてしまおうか

入ろうか
自分だけ
逃げ延びてみせようか

息苦しい世の中で生きることは
とても苦しい

心を開いて受け入れられる
人はどこにいるのだろう

逃げようか
卑怯者から離れて
張り裂けてしまおうか

開こうか
自分から
微笑みながら近づこうか

生き物はいつも

生きて眠って
眠って生きる

繰り返し繰り返し
同じようで違うループの中を
繰り返し繰り返す

私はいつか

本当の眠りに導かれて
元の場所に戻っていく

理由を知らされず
人は落ちる
浅い眠りから深い夢に

理由を求め
人は生きる
道を空をいつも毎日を

永遠と出会うまでの

儚い一瞬を

夢の一部のように

私は生きる




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テーマ : 詩*唄*物語
ジャンル : 小説・文学

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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
たいした意味などありゃしない


旅の途中の紙くずたち
今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

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「喜多さん、いいとこばっかじゃねえか」

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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