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2006-08-03 Thu 21:43
月を横切る鳥を追うようにして猫は駆け出した。
猫という者は、時々は旅に出なければならないのだ。 すべての猫がそうというわけではない。 けれども、すべての夏休みの宿題がそうであるように、夏がどれほど挑戦的な夏であっても、 それは夏が終わる前に手をつけなければ満足のいく研究結果は得られないのだ。 そして猫は、少しのことで満足する猫でもなかった。 ようやく訪れた本当の夏に浮かび上がった月の下を、猫は一週間のような速さで駆け抜けた。 その横顔は、土曜よりの使者のように破滅的終末に向かっていた。 雲が突如として月を覆い始めた。 夜に裸足で駆け出した 持ち寄られる好意から 顔を背けて遠ざかる 泣きつけるものもない世界へ 靴も履かずに駆け出した たったひとつの想いを置いて 私はひとり抜け出した 恵まれた温室の壁を 自分の手で切り裂いて ひとかけらも巡ってこない世界へ 私はひとり逃げ出した 後から風が追ってきた 進んで自分を傷つけるために 黙ってあの場所を捨ててきた 前触れもなく雨が降り出した そばで触れる手もなく逃げ出した 後から闇がつけてきた ミニチュアの幸福を置き去りにして 汚れた空気に満たされるために ミニマムの自分を取り出して 不確かな夜の中に逃げ出した 夜の中にいまはひとりで 進んでかなしみを近づけるために ありあまる日々から離れてきた いまはひとりで追いかける 夜はどこまで続いているのか この足で確かめずにはいられない |
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