パジャマの老人
2006-07-13 Thu 21:40
老人はあまりに石に似ていた。
シルバーカーが横断歩道の手前にさしかかった時、猫は跳び上がった。
石がわずかに動いたような気がしたのだ。
「大丈夫だから…」
おばあさんは、猫を抱きかかえながら、石のようなおじいさんを盗み見た。
老人はやはり石に似ていた。
その横顔は、頑固な軌道を描き落ちてきた隕石のようだった。


石の上に腰掛けて
色の変わりを待っていた

動かぬ老人は
何を想っているのだろう

魚を待つ釣り人のように
歩道の波を見つめながら

普段着のままの老人は
顎に手をついて地に杖ついて
石のように固まっていた

雲の上から蟻を見る賢者のように
人の波を見つめながら

くつろいで銅像のように固まって
夜の中で息をしていた

車は息を止めて
窓の外へジャズが泳ぎ出す

横断する人のリズムが
白と黒のボーダーに
音符の足跡を置いていく

誰も逆らえない波の交わり
点滅する青さの中で
止まる影 加速する光

それでも老人は動かない
何を想っていたのだろう

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