心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
水知らずの人
2006-06-19 Mon 19:55
「神様、今度こそ奇跡が起きて勝ちますように…」
球蹴神社に、切ない祈りと猫の鳴き声が反響していた。
夕暮れの太陽が、試合で使われる公式球であるかのように、地球の裏側へ向かってゆっくりと空を転がっていく。
境内で有難い水をいただきながら、おばあさんはハンカチで額を拭った。
「こんなうまいものは飲んだことがないね〜」
「これは奇跡の水なんだよ…」
おばあさんはかすれた声で呼びかけながら、猫に向かって水をかけはじめた。
猫はおばあさんが狂ってしまったかと思い、逃げ惑いながら憂いのカズダンスを踊った。
その横顔は、水に濡れて少し泣いているように見えた。


美味しい水を私にください
風がジュージュー吹いたから
おいしい風の水を
一滴の水のために
私は一瞬の命を賭けよう

美味しい水をもっとください
山がゴーゴー鳴いたから
おいしい山の水を
一滴の水を想い
私は一つの橋を架けよう

みんな海からやってきた
私もすべては水の人間
一滴の水をみるために
溢れる涙を流します

なぜなら私は遠くからきた
深い海からやってきた
だから私も水の人間
自然の水を私にください

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