鉄くずの森林浴
2006-05-17 Wed 00:53
高くそびえ立つビルは、どんな株価よりも新年の決意よりも高く、雲に突き刺さっていた。
屋上から地上を見下ろせば、動くものはすべて蟻のように細かく見えた。
ここから、飛び下りても猫は優雅に着地するだろうか…。
「もしも私が猫ならば…」そして、私は猫だった。
猫の頭の中で春の空に花が競い咲くように、おかしな空想が駆け巡っていた。
そして、そうする内に時々自分が猫であることさえ忘れてしまう。
食べ物を抱えて、人間たちが上の世界に上がってきた。
太陽が街の真ん中まで昇ったことを、猫は知り、その時猫のお腹が音を立てた。
それは、雲の中から聞こえるカモメの悲鳴のようだった。
その横顔は、ひび割れたガラス窓のようだった。


この森に
木はなくて
人という名の占領者

枯れもできない
鉄の木々
冷たい森
光りを浴びても
伸びない代わり
金を積み上げ 
そびえたつ
花は咲かず
ただ
金だけがなる

私は鉄くずの頂上で
雲さえ
見下ろしている

私は王様のように
シャツ一枚の王様のように
雲よりも無邪気で
雲よりも愚かで

もう
うさぎには
戻れない
あの場所は
もう
遠すぎる

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