心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
空想の翼
2006-04-25 Tue 17:28
「札束をビルより高く積み上げることはなかったけれど、私に降り注いだ年月は、私にゆっくりと年を積み重ねる時間をくれたんだね」
おばあさんは、猫に向かって話し込んでいた。
「今度生まれ変わったら、あんたは今度は何に生まれ変わりたい?」
猫は、不意に本棚に跳び上がると、ゆっくりと飛び立った。
猫の背中に美しい翼が現れるのを見て、おばあさんは少し驚き少し微笑んだ。
「おまは今度は鳥なんだね…」
散歩に出て行った猫の後姿に、優しく言った。
翼だけが、まだおばあさんの部屋の中で宙に浮き、かすかに動いているのをじっと見つめていた。
その横顔は、青雪を見つめる魔女のようだった。

なりたいと思ったのでなく
気がつくと
私は鳥だった
私は空の上にいる
星空を羽ばたく鳥のように
私は鳥だった
私は鳥
星は翼の中へ

なりたいと夢見たのではなく
気がつくと
私は人だった
私は地上にいる
大空を見上げる人のように
私は人だった
私は人
空は想いの中へ

言葉にならない歌のように
回らないバレリーナのように
想いはとめどなく果てしなく
神秘の消えた秘境の奥へ

乾いた大地を駆け巡り
レシピの消えた今日の中で
そっと時間を遡る
遥か星を突き抜けて
永遠求めて飛んでいく
いつかあなたに
届くほどに

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