見えないリンク
2006-04-16 Sun 22:40
おばあさんの創る影絵は、魔術師の創り出す影絵ほどにちっぽけで美しかった。
おばあさんは、両手を奇妙な形に広げると影は雛を創り出した。雛はゆっくりと現れた。
次におばあさんは、キタキツネを創った。はるばる北の方からやってきたため、暑そうにしていた。
続いて赤とんぼが現れた。夏の夕焼けよりも赤く、おばあさんの瞳の奥までも赤く染めた。
一匹狼が威厳と共に現れた。右手と左手でそれは結局は二匹だった。
おばあさんが、両手を縦に並べ高く掲げると、偉い人が現れた。
いかにもえらそうにふんぞり返っている。
そこに最後の侍が現れた。もはや刀を持っていなかったが、侍はあくまで凛としていた。
猫は、そのすべてを目を伏せたまま見ていた。
あたかもピアノを聴いているようだった。
おばあさんは、最後に少し寂しげな表情を浮かべながら、影で不幸せの形を描いた。
そして、手を閉じた時、影が割れる音が冷たく部屋に反響した。
その時、猫は心地良さそうにヒゲをなでた。
その横顔は、光でできた猫のようだった。

自然に広がる
森のように
木は育ち
春めいて
見えないリンクで
つながってる
確かな囲いはないけれど
確かな約束はないけれど
もっと不確かな儚さで
確かにつながっている
光と影の向こう側
見えない輪が
包み込む

自然に広がる
村のように
行き交って
持ち合って
見えないリンクで
つながってる
確かな言葉はないけれど
確かな法則はないけれど
もっと確かな確かさで
ここからつながっている
光と影の逃避行
消えない雨が
流れ込む

見えない橋が遠くから
失われた星空に
浮かぶように
誰かが星の速さで
駆けてくる
みえる形はないけれど
手にする形はないけれど
想いの欠片が希望のように
きっと大きな確かさで
ここから
つながっている

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