底なし沼から見る空は
2006-04-09 Sun 18:20
おばあさんの家にはそこそこの庭があり、こそこそとした裏庭もあった。
そして、恐いのは裏庭の方で猫はまた足を滑らせてしまった。
深い沼が猫の足を、重い冗談のように呑み込んで行く。
その感触は、借りてきた猫の右手のように冷たかった。
その時、おばあさんが手を差し伸べてくれたのを猫は見た。
その横顔は、天使を見つめる猫のようだった。

今そこにある 底なし沼
すぐそこにある
底の知れた 底なし沼
底なしの すぐそこで
訪れない 花を待つ

今そこにある 底なし沼
どんな賢者も
今はまだ
その底を知らない

底知れぬ底なし沼
どんな演者も
いつだって
その驚きを
隠せないまま
底知れぬ深淵は
延々と奥深く
永遠に遠い謎

大地を震わす
木琴も
店を揺るがす
ラストオーダーも
その底に
届かない
望まない願望も
失わない失望も
みんな
同じ生き物のように
みんな同じ
ガラクタのように
のみ込んでいく

今そこに
ほらそこにある
底なし沼
両手を広げて
待っている
あなたのくれる
太陽を

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