心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
春のマフラー
2006-03-31 Fri 01:02
春は冬の向こうからゆっくりと牛のように近づいてきていた。
けれども、冬の残党は必死で牛の足をひっぱり、後ろ向きに歩ませようと抵抗しているようだった。
玄関が開き、アメフトの選手がもたもたと入ってきた。
けれども、よく見るとそれはセーターを5枚着込んだおばあさんが戻ってきたのだった。
猫は、安心したのか大きくあくびをしてみせた。
それは、戻ってきた者への笑顔だったのかしもれない。
その横顔は、空を見上げるクロッカスのようだった。

あなたがいるから
戻ってきたよ
一人の
アンコールで
また
戻ってきたよ
今日だけ一緒
一度だけの
今日だから

あなたが呼ぶから
帰ってきたよ
春の
コンクールに
招かれて
遊びにきたよ
私だけが冬
一日だけの
冬だから

ぶり返す季節のように
重ね合う想いのように
星の瞳の下に
不意に戻ってくる
今日だけ一緒
でも忘れないで

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