ただじっと
2006-03-22 Wed 20:37
闇が翼竜の翼のように、街を包み込む中、店は夜に浮かぶ宝石のようだった。
猫はそれを火星人の基地と呼ぶ、そのコンビニの前に猫はいた。
基地の数が多すぎると、猫は思った。
今では、星の数よりも、自分たちの数よりも多くなってしまった。
猫が場所を間違えていたとしても、やむを得ないことだったかもしれない。
けれども、疑うには春はまだ寒すぎたのだ。
猫は、首を縮めてその場に居座り続けることを選んだ。
その横顔は、ひねくれたおみくじのようだった。


ただじっと 待つ1分
ただじっと 待つ一人
通り過ぎる 人影の中
立ち止まる 自分ひとり
置き去りの人形のように
街角の銅像のように
体の中で
何かが よぎり
横切り 突き抜ける

ただじっと 待つ永遠
ただじっと 待つひとり
素通りしていく 靴音の中
立ち尽くす 自分ひとり
書き置きの手紙のように
空想の産物のように
風の中で
何かが よぎり
横切り 突き抜ける

ただじっと
過ぎ去るのは自分以外
不安という名の
植物が
胸の中で
ふくらんでいく

ただじっと
ずっと ずっと
待っている

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