サイボーグ
2006-03-17 Fri 12:07
「物どもかかれ〜」
黒の狐の号令で、まず物の王様である置物が猫に襲いかかった。
置物は猫の前にじっと佇んでいる。猫は全く驚かなかった。
続いて割れ物が猫に襲いかかった。
猫の前で砕けて割れて散ることで攻撃は終わった。
傷ついたのは物の方だった。
最後に生ものが猫に襲いかかったが、猫の口に納まるだけで消滅した。
黒の狐はふてくされて帰って行き、置物は依然として置物のように佇んでいた。
けれども、その影から得体の知れないものが現れた。
それは、敵か味方か、物か何かさえもわからなかった。
恐る恐る、猫は不安に駆られながらも近づいていく。
その横顔は、謎の贈り物に忍び寄る子猫のようだった。


ここでは
氷りつく 言葉こそが
最大の暖房具
温かさを
よりいっそう
引き立たせてくれるから

暖房に群がる
サイボーグ
最高の才能と
裁縫によって
作られた
鉄と心の融合
生身の寒さを
感じる
新しい存在
羽毛布団のように
おまじないのように
温かい言葉を
かけてくれる

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