太陽屋敷
2006-03-08 Wed 17:31
午後の教科書通りを駆け上がるように、猫は夕暮れの緑ヶ丘を駆け上がってきた。あるいは、夕日ヶ丘だったのかもしれない。
猫は、この丘を駆け上がるのが好きだったし、それより好きだったのは、そこを駆け上がった後、小さな3本木の真ん中で一休みすることだった。
丘の上から眺める夕日がとても好きだった。
レモンからオレンジ色に変わっていく夕日と、色を失っていく街の様子をひとりでぼんやり眺めている時、猫はいつも空っぽの猫だった。
自分のテリトリーのことも、帰る場所のことも、今日一日何も食べていなかった、などということも全部忘れて…。
キャンディのように溶け始めた夕日を、猫はまだ見つめていた。
その横顔は、真っ赤なオレンジを素顔で見つめる猫のようだった。


陽気さの欠片を
かき集めて作った
太陽屋敷
そこまでの 陽気さに
私はとても 耐え切れない
しみじみと 沈みゆく
しじみ汁の中に
お日様が沈みゆく

陽気さの欠片を
寄せ集めて作った
太陽屋敷
そこまでの 陽気さは
私を押しつぶすだろう
音のない夜の中に
逃げ出すんだ
しみじみと 沈みゆく
しじみ汁の中に
お月様が沈みゆく
雪の思い出と
一緒になって

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